読売新聞から取材を受け、当店が北陸版に紹介されました
(平成13年1月20日土曜日版)
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機械式時計を丁寧に修理 松任市安田 磯崎輝男 53
〜“鼓動”をよみがえらせる職人技〜
「どこでも直せないと言われた機械式の時計を、よみがえらせる喜びは職人みょうりにつきます」と、磯崎輝男さん。
松任市中央商店街で、宝石、メガネ、時計の販売・修理の店を経営しながら、時計職人としても活躍している。
1年前にインターネットでホームページを開設して以来、磯崎さんの元には、修理の難しい“難物”と呼ばれる時計が、全国各地から宅配便で届く。
最近では、40年前に製造された外国製の時計が送られてきた。
分解してみると、「ぞっとしましたよ」と磯崎さん。
サビがひどく、レバーなども朽ちていたという。
部品をすべて分解して洗浄し、レバーやバネなどは旋盤で製作した。
製造元でも直せないと言われた時計を、2か月間かけて丁寧に修復した。
「壊れていた時計が動き出した瞬間、それまでの疲れも吹き飛びます」
マイスター公認高級時計師と呼ばれる、世界最高水準のCMWという資格を持つ。
合格したのは29年前。
学科、旋盤による部品製作、時計修理の実技など、5日間にわたる難解な試験
を、全国2番目の成績で合格した。同資格は、今までの合格者800人、
『時計職人ならだれもが、羨望のまなざしを向ける資格』と言われている。
仕事が中断されないように、修理に取り組むのは夜や休日が主。心を落ち着かせ、ドライバーや各種測定器がぎっしりと置かれている作業台に向かう。
専門の測定器で1日1秒単位で微調整する。
扱う部品は1ミリに満たない物も多く、息もひそめ慎重に取り扱う。
「手の安定が大切。夫婦げんかをして、動揺している時はうまくいきません」と笑う。
現在、時計はクオーツ式が主流だが、最近では機械式時計の良さも見直されてきた。
「機械式時計の音を聞いていると、心臓の鼓動のようで生きている感じがする。
修理するのも楽しいですね」 By 読売新聞 |