機械式時計の正しいご使用方法
お手入れに関して
●手巻き時計は、毎日なるべく同じ時間に一杯にゼンマイを巻いて下さい。特に婦人用の場合、ゼンマイを十分に巻かずに使用される事がありますので、ご注意下さい。(ゼンマイが、一杯巻かれているにもかかわらず、さらにそれ以上強い力で巻き上げますとゼンマイが切れる可能性がありますので、ご注意下さい。)
※自動巻腕時計で手巻き機能付の場合、腕につけて運動量の少ない時のみリューズを回して手巻きして下さい。自動巻腕時計の手巻き機構付は、手巻き部分のパーツは薄く、小さく作られている場合がありますので、手巻きでゼンマイを一杯まで巻き上げる事は避けて下さい。パーツが破損したりして、故障の原因になります。
●時計の修理、又は時間調整は必ず腕の確かな時計職人のいる専門店にお出し下さい。
●定期的な分解掃除は3年に1回、ドレスウォッチあるいは婦人用の時計で非防水のモデルの場合には、1年に1回してやって下さい。時計は使わないでおくと、その間に油が変質したり固まったりして調子がおかしくなったり、あるいは故障の原因になる場合があります。
●非防水のモデルの場合、時計を水の中に入れたりしなくても、使用状態の如何によっては、汗や湿気がケースの内部に侵入して、機械に錆を生じさせる事があります。特に、ドレスウォッチはデザイン上、薄型を強調して設計されたおしゃれ時計ですので、日常使用される場合には、水・湿気には十分ご注意下さい。
●湿気や埃は時計の精度に敏感に影響を与えるものですから、風防やガラス等にひびが入った場合には、早めにお取替下さい。破損の場合あるいは水が中に入った時は、すぐに時計専門店にお持ち下さい。
● 『日常生活防水』及び『強力防水』いずれのモデルでも、月日の経過に従って、防水性能効果は低下します。パッキング等の効力が落ちている場合には、新しい部品とお取替下さい。
●耐震装置付きの時計とは、壊れない時計と言う意味ではありません。特に、高精度を要求されるスイス高級時計には強い衝撃・落下・磁気等を与えないようにして下さい。
●カレンダー早送り装置が付いている時計で、カレンダーを合わせる時は、時計の時刻が午後8時から午前4時の間には絶対早送りをしないようにご注意下さい。
●デイデイト付きの時計では、出来るだけ時計の針の逆回しを避けた方が賢明です(5分から15分位なら差し支えありません)。
●防水時計といえども、水に浸けて使用するのと、全く水に浸けないで使用するのでは、時計の寿命が数倍違ってきます。スイス高級時計は防水でも出来うる限り水に浸けないでご使用して頂きたいものです。
●3〜5気圧の場合、絶対に水に浸けないようにご注意下さい(汗・湿気は充分防げます)。(保証期間中でも使用ミスにより水が入った場合は有料になる場合がありますので、ご留意下さい)。
強力防水(20気圧防水以上)と言えども、水泳・風呂・シャワー・サウナ・洗車時は出来うる限り外して頂いた方が、時計の寿命が長くなると思います。
日常、時計のご使用にあたっては磁気製品にご注意ください。
(主な磁気製品)
<直流磁界製品>
・磁気健康器具、治療器 ・冷蔵庫等のマグネットドア
・ホワイトボードのマグネット・ハンドバッグの開閉マグネット
・精肉包丁研磨用ヤスリ ・ステレオスピーカ、ヘッドホン
・モーター、バイブレーター(PCファン、携帯電話等も小型磁石を採用しています)
・工作機械等のマグネットチャック
・心電計レコーダのペン ・脳派測定器レコーダのペン・超音波測定器のメーター部
<交流磁界製品>
・電磁調理器 ・ハンドミキサー
・テレビ、交流式電気カミソリ ・電子毛布等々、家電製品ほぼ全て
・電動マージャン宅 ・スポット溶接(電気溶接)機
・発電所の二次側ケーブル・電気炉
上記の品物に、触れる場合には、出来るだけ腕時計を外したりして下さい。またそのそばには、置かない様にして下さい。
自動巻き時計は、内蔵されたローターが通常の腕の働きで回転し、ゼンマイを巻き上げる仕組みになっています。従って、腕の動きの少ない場合や、使い方によっては、時計を駆動させる為の十分な動力が得られず、ゼンマイの巻き上げ不足が生じ、その為に時計が停止したり、精度が乱れる事があります。
安定した駆動力を機械部分に伝達する為には、1日最低12〜16時間ご使用下さい。特に、お買い上げの直後や、一度停止した後にご使用される場合は、必ずリューズを巻き上げ方向に10〜15回ほどゆっくり回してゼンマイを巻き上げてからご使用下さい。
『手巻き機構がついていない自動巻腕時計の場合は、ご使用する前に20〜30回独楽(コマ)を回すようにしてから、腕にはめて下さい。』
また、自動巻き時計のゼンマイには、巻き上げ過ぎて、ゼンマイに負荷がかかる事のないようスリップ機構が付いており、無制限に巻き上げる事が出来ますが、一応20〜30回を目安として巻き上げて下さい。
※デスクワークの人や運動量が少ないと感じた日には寝る前に数回ゼンマイを巻き上げると安心です。置く時は文字板上の姿勢で置いて下さい。立てた状態で置くと余り良くありません。
1.時間を合わせる時、長短針の逆回しは絶対しない様にご注意下さい(5〜10分位ならOKです)
2.デイデイト付きでカレンダー早送りする場合、時計の時刻のPM8:00〜
AM4:00の間は絶対にしないように気をつけて下さい。
3.普段、時計としてお使いになる時は、ストップウォッチ機能は止めておいて下さい。
4.クロノグラフをご使用の時は、スタート・ストップ・リセットの順で必ずボタンを押して下さい。
5.クロノグラフは、よく水が入って錆びているケースが多々ありますので、日常生活防水と言えども、出来る限り水には浸けないようにして頂ければいいと思います。
6.部品数が300個以上にのぼる複雑な機構の為、落下・磁気・誤操作にはくれぐれもご注意下さい。
【クォーツ腕時計の電池に関して】
1,クォーツ腕時計のメーカーに問わず、全機種に渡って組み込まれている電池はメーカー工場出荷時に時計の機能を点検し性能を検査する為に使用した、モニター電池ですので、お買い上げ後一年に満たない内に電池寿命が切れる場合がありますが、ご了承下さい。
2,電池寿命が切れた場合は、保証期間中であっても電池交換は有料になります。電池交換料金はメーカー及び機種によって異なりますが、大凡1050円からになります。
【時計バンドの手入れとご使用方法】
バンドに付着した汚れや水分は、皮膚の弱い方のカブレ・衣服の袖口を汚す原因となる場合があります。末永くご使用頂く為に、柔らかい布などで拭き、常に清潔にしてお使い下さい。バンドは肌着と同様直接肌に接していますので、定期的に次の方法で汚れを取りご使用下さい。
金属バンド・・・
石鹸水を付けた柔らかい歯ブラシで部分洗いをして下さいこの時、非防水時計は水がケースにかからないようにして下さい。汚れたままにしておきますと、腐食・錆の原因ともなります。特に汚れがひどい時はお買上店で超音波洗浄をお薦めします。
皮革バンド・・・
乾いた柔らかい布で、水分・汚れを取り除いて下さい・こすると、色落ちすることがありますので注意して下さい。
軟質プラ・ウレタン・ラバーバンド等・・・
ウレタン・ナイロン等のバンドは特に手入れの必要はありませんが汚れが酷くなりますと、皮膚がかぶれたりする場合もありますので時々石鹸水または水で洗って下さい。薬品などは変質の原因になりますのでご使用しない下さい。また使用期間によって、材質が固くなったり、折れたり・割れたりする場合がありますので、その際は新しいバンドに交換して下さい。
バンド装着時、注意事項等・・・
■体質により、皮革・金属・硬質プラスチックなどにて皮膚がかぶれたり、肌に異常が認められた場合は、直ちにご使用を中止し、専門医にご相談下さい。
■バンドに水銀(体温計)・薬品などが付着すると変色する場合がありますのでご注意下さい。
■バンドは指一本入る程度の余裕を持たせ通気性をよくしてご使用下さい。
また皮革バンドは高温多湿になる場所での保管は避けて下さい。 |