3/4プレート図解図
ドイツ時計の歴史は、ドイツ時計産業の父とも言われる、アドルフ・ランゲ氏(現ランゲ・アンド・ゾーネ社の創設者)が、貧窮にあえいでいたドレスデン南部の町・グラスヒュッテを1845年に訪問し、そこで彼が農村出身の青年達に時計製作技術の基礎を教え込んだ事により始まりました。
アドルフ・ランゲ氏は後人の育成や、自社(ランゲアンドゾーネ)の経営、町長など多岐に渡り活躍した時計史上での偉人ですが、彼が開発し、後世にも影響を与えたものが上記の3/4プレートです。
この機構は時計のムーブメントを約3/4覆うことにより名づけられており、一体成型されたこのプレートがムーブメントと地板との間に、ゼンマイが入った香箱、各歯車等を挟むことにより、各歯車が安定した動きをしやすくなり、結果、精度・耐久性の向上が得られるようになります。
グラスヒュッテに本拠を置く、他のドイツ・時計メーカーも採用しているグラスヒュッテの伝統的時計機構ですが、プレート自体は自社生産をせねばならず、高い成型技術が求められ、また時計の組立工程においても熟練した技術が必要となる為、高級機しか採用されておりません。
ミューレ社も2008年以降のETA7750をベースにしたクロノグラフモデルにのみ、自社製3/4プレートを採用しています。
※上記仕様詳細
(1)・・・3/4プレート本体 (2)・・・クロノグラフ・ジャンパーバネ (3)・・・デテント爪 (4)・・・ダンパー
(5)・・・クロノグラフホイ−ル受け部(耐久性を高める為、青焼きネジを採用。)